2002年、ベトナムの考古学者たちがハノイのファン・ディン・フン(Phan Đình Phùng)通りにある北門付近で発掘を開始した際、彼らが探していたのはグエン朝の遺物でした。しかしその代わりに発見されたのは、ベトナムで最も重要な歴史的遺跡の1つだったのです。出土した遺物は、高度に発達した芸術センスと独自の文化を持った数々の王朝と統治者の歴史を物語っていました。首都の中心部に位置するタンロン皇城は、ハノイを訪れる歴史好きには外せないスポットです。このユネスコ世界遺産でぜひ訪れたい5つの魅力的スポットをご紹介します。
第01章 —
端門(ドアンモン)
チケット売り場から芝生と花壇を横切ると、皇城の正門である端門(ドアンモン)に到着します。正門の中央アーチの上には2階建ての望楼が載っており、ハノイフラッグタワー(旗台)を含む敷地全体の素晴らしい景色を一望できます。門の足元には、李朝、陳朝、黎朝の時代に発掘された瓦が重なり合うように置かれています。それぞれの違いを見分けられるか試してみましょう。
第02章 —
敬天殿(キンティエン宮)の石龍
かつて皇城で最も重要な儀式が行われていた場所である敬天殿(キンティエン宮)は、現在は石龍の階段と基壇のみが残り、敷地の中央に位置しています。この宮殿は黎朝の王によって建てられ、フランスの植民地支配者によって破壊される前は、外国の使節を接遇したり宗教的な祭礼を行ったりしていました。ここを訪れた際は、黎朝初期の彫刻芸術をより詳しく観察できる龍の頭部に注目してみてください。
第03章 —
ホアンジエウ18番地考古学遺跡
ベトナム史上最大規模の考古学発掘調査において、ホアンジエウ(Hoàng Diệu)通り18番地のエリアからは、7世紀までさかのぼる数千点もの素晴らしい遺物が発掘されました。4万5000平方メートルの敷地全体のいたるところで、石柱、古い井戸、瓦、屋根の装飾物、陶磁器が発見されています。木陰の遊歩道を散策しながら、これらの貴重な文化財を鑑賞してみましょう。夏にはハスの池で一休みし、美しく咲き誇る花々とともに写真を撮影するのもおすすめです。
ヒント: 発掘現場のすぐ近くには、古木の木陰で美味しいベトナムコーヒーを楽しめる屋外カフェ「Civie Coffee」があります。
第04章 —
美術・陶磁器展示
タンロン皇城の見学チケットで、首都ハノイでも有数の見ごたえある美術展示を鑑賞できます。展示は正門の後ろにある歴史的建造物の中に用意されています。アートファンやグラフィックデザイナーなら、ベトナム各地の様々な様式をカバーした50点のベトナム民画展を楽しめるでしょう。発掘調査で見つかったテラコッタや粘土製品を年代順に展示した展示室もあれば、黎朝時代の繊細で洗練された陶磁器を紹介するコーナーもあります。時間をかけて、これらの希少な古代美術品をじっくり鑑賞してみてください。
第05章 —
D67ハウス
1967年、ベトナム国防省はハノイで高官会議を開催し、将軍たちの執務場所を確保するため、タンロン皇城の敷地内に本部を建てました。D67ハウスは、ベトナム独立に至る年月において重要な拠点でした。ここには伝説的なヴォー・グエン・ザップ将軍の執務室が残されています。地下へ降りると、戦時中に使用された最高機密の通信機器を見学できます。


